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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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かうんたー
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KGBの大佐、セルゲイ・グリゴリエフ大佐は、順風満帆な生活を送っていた。
情報処理の責任者として国の中枢におり、それ相応の収入、美しい妻、反抗期だが優秀な息子もいる。
国家のエリートとして満ち足りていたが、それ故に愛する自国の行く末に不安を感じていた。

そんなある日、グリゴリエフはフランスの家電メーカーの技師、ピエールと接触する。
フランスの政府組織DSTから、彼の上司を経由しての接触だった。
初めは素人を寄こしたことに憤るグリゴリエフだったが、フランスで勤務したこともあってか、ピエールに対して奇妙な親近感を覚え、彼に次々と重要な情報を手渡す。
そこにはスペースシャトルの設計図やフランスの原子力潜水艦の航路図などがあった。

グリゴリエフとピエールの距離は、少しずつ縮まっていった。
ピエールは、危険な行為に金銭的な見返りを一切求めないグリゴリエフに惹かれていく。
グリゴリエフから受け取る情報は仔細であり、かつ想像を絶するような重大な機密事項ばかりだった。
情報を盗むことで技術を促進させるしかない国の惨状がグリゴリエフには辛かった。
息子には新しく生まれ変わった国で生きて欲しいと思っていたのだ。

もうすぐ、決定的な情報がグリゴリエフの手元に届く予定だった。
国外で活動しているトップクラスの情報部隊“X部隊”の情報だ。
その書類が西側に渡れば体制が崩壊するのは明らかだった。
それが世界を変えることも。
そして、その情報はピエールへ渡された。
しかし、グリゴリエフに大きな影が忍び寄っていた……。

ソ連崩壊により国際社会のパワー・バランスを塗り替えられた。
そのきっかけとなった20世紀最大級のスパイ行為〈フェアウェル事件〉。
この驚くべき実話の映画化。

そうよね、スパイってやっぱり、本当はこうよね~っていう。
こっそり書類を持ち出したり、盗み見たり……OO7みたいに派手なことやってたら目立ってしょうがない。
実はスパイは地味な仕事なんである。
周囲に不審を抱かせず、こっそりこっそり情報を収集するのだ。

KGBの情報を一挙に手にする地位にある人物の、金銭なんていう俗な目的のない、愛する国と愛する息子のためのスパイ行為。
という、信じがたい実話をもとに作られた映画。
主役のグリゴリエフ大佐を演じるのは映画監督のエミール・クストリッツァ。
演出家が実は一番演技が上手い、って聞いたことはあるのですが、ハマり役だと思う。
彼と接触するフランス側のスパイ、と言っていいのか…は、ギョーム・カネ。
初めは仕方なく、取り次ぎ役をしていた彼だが、だんだんとそのスリルも病みつきになったのだろうが、大佐の人柄や目的の崇高さに協力する気になっていく。
やがて、二人の間には友情のようなものが芽生えていく。
グリゴリエフは情報の見返りに金銭は求めないが、息子のためにQUEENのカセットを買ってきて欲しいとか、フランス語の詩集が欲しいとピエールに頼む。
「それから、ニース風サラダも?僕はデパートじゃないぞ。」
そう言い返すピエールに、情報の見返りとしての頼みごとというよりは、友達にささやかなフランス土産が欲しいと言っているのだと、見ていて感じる。

グリゴリエフの身を案じたピエールは、彼に亡命するように勧めるが、彼は愛する国を離れる気はないと言い、フランスも情報源に亡命されては困ると言う。
いかに貴重な情報を提供したとしても、いや、したからこそ、これは重要な駒なのだ。
ただの駒。
使い捨てなのだ。
グリゴリエフ自身も分かっていただろうけど。

現実的なスパイ映画としても、父と息子の映画としても見どころのある作品です。

あ、そうそう、ウィレム・デフォーがとっても嫌なCIAのヤツで、出ています。
本当に嫌な感じなの(笑)
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