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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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かうんたー
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ある日突然、父・ハルが、実は自分はゲイだとカミングアウト。
妻も亡くなり、恐らく残り少ない人生を思い通りに生きてみたいとのことだったのだろう。
着るものも変わり、パーティーを開き、若い恋人まで……。
しかし、その矢先、がんだと宣告される。

一方、息子・オリヴァーは38歳独身のアートディレクター。
現在は決まった相手もいず、考えてみれば恋人とは誰ともイマイチ長続きしなかった。
父のカミングアウトに戸惑いを隠せないオリヴァー。
父と母の間に愛はあったのか?
そんな夫婦の間に生れた“僕”とは―?

死を前にして、父の生き方はとても潔かった。
愛をふりまき、周囲の人を幸せにした。
癌は身体を確実に蝕み、最期の日は近づいていたけれど……

オリヴァーは母と過ごした時間、出かけていく父の後ろ姿、両親、そして自分の生きてきた時代を振り返り、改めて自分自身を見つめ直していく。

そんな彼の目の前に現れた女性、アナは、運命の人なのか?

先に見た友達からメールが来ました。
「ちょっと、寝てしまった;;好きかもしれないよ。」

正解でした(笑)

冒頭、いきなりオリヴァーは浮かない顔で家を片づけています。
何のためだろう?と思っていると、彼はたくさんの薬をトイレに流します。
最初っから、ハッとさせられます。
私も、そう遠くない日にこういうことするのかな~?
人がなくなるということは、とても感傷的なことですが、事務的な手続きが感傷に浸っていられないくらい次々にやって来るのだと知りました。

映画の時間軸は遠い過去、ちょっと過去、そして現在を行ったり来たり。
両親が生まれた頃の空や、流行した事柄、自分が生まれた頃の空や、コイン大の腫瘍が……と言われて、映し出されるコインたちが、場面を軽やかに区切っていく。
そして、オリヴァーが描く、失った恋とか、悲しみの歴史とか、所々に挿入されるグラフィックが、下手すると重過ぎてどうにも出来なくなりそうなこのテーマを軽やかにしている。

オリヴァーのウジウジ具合にイライラする人もいるかもしれないけど、ウジウジ加減があまりにも自分に近くて……
父のハルから譲り受けたアーサーのような可愛い犬は傍に入れくれないけど……
アーサーとの会話も、自分にとっての日常だったりする;;
誰もいないんだけど、ツッコミが入るからさ(^_^;)
一歩間違うと統合失調症かもな~;;
子供の時から、1人で喋ってるんだけど……マズイすか?

父を亡くした喪失感からか、引きこもりがちになったオリヴァーを心配した友達に連れていかれたパーティーで、風変わりな女性・アナに出会う。
アナは、父を亡くしたオリヴァーを癒し、二人はお互いに惹かれ合っていく。
が、幸せな日々は長くは続かない。
オリヴァーの家で二人で暮らし始めたころから、何かが食い違っていく。

だいたい、アナって人は、いつでも逃げられるように服とかをスーツケースに入れたままにしている人なの。
わざわざ空けといたタンスに何も入ってなくってオリヴァーは、ガーンてなっちゃうように感じたんだけど、いや、そういう人でしょ?分かってたんじゃないの?
それとも自分は彼女が安らげる“特別な存在”だと思ったの?
まぁ、恋ってそういうものよね。
って、知らないんだけどさ(笑)
似た者同士の変わり者の二人。
上手くいかないでしょ。

オリヴァーは、父・ハルの最期の日々を思い出して、勇気を出して行動することにするんだけど……
アナっていう、変わった人を丸ごと受け入れるのは、どんなに懐の深い人でもなかなか難しいと思う。
本人が受け入れられることを心底望んでいるのか怪しいから。
オリヴァーも変わり者であることを止められないと思う。
だから、普通の恋物語にはならないし、二人の恋の行方には興味がありません。
だって、分からないもん。
父親を拒絶し続けるアナ。
は、いいとして、それに対するオリヴァーの行動は理解出来なかった。
父親を亡くして落ち込んだ人のすることじゃないよ。

一番印象深かったのは、ハーヴェイ・ミルクが亡くなった時にハルが作ったデパートの(だったかな)展示。
たくさんのぬいぐるみと『ビロードうさぎ』の一節。
読んだことないから、うろ覚えなイメージの言葉だけど……
“本物になれるなら、どんなに苦しくても構わない”
というような言葉だったと思う、かなり違うと思うけど……。
ずっと、自分を偽って隠れて生きてきたハルや、本当の自分になれないでいた人達のことを思うと涙が止まらなかった。
そして、自分にとって何が本物か、未だに分からずにいる僕(何か、わたしって気分じゃない)自身のことも重ねていたのかもしれない。

とにかく、人生最期の時を生き生きと生きるハルを演じたクリストファー・ブラマーが本当に素晴らしい。
「1歳違いなのに、どうして今まで出会えなかったんだろう?」
との、オスカー像との出会いのコメントも素敵である。

とりあえず、個人的にはとてもおススメです。

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