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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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かうんたー
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イタリア、南トスカーナ地方の小さな村で、本物と贋作についての著作を発表したジェームズの講演が行われる。
それを1人の女が息子を連れて聞きに来ていた。
が、息子に強請られて渋々中座する彼女は講演の主催者にメモを渡した。

女が経営するギャラリーをジェームズが訪れる。
外でコーヒーでも飲みたいというジェームズだが、あいにくの日曜日で店は閉まっている。
コーヒーを飲みがてら「面白い場所へ連れ行ってあげる」と誘う女。
「9時の列車に間に合うように戻る」という条件で、二人はドライブに出かける。
美術館を訪れ、カフェに立ち寄る。
ジェームスが電話に出るため外に出た時、女主人に夫婦と間違われたことをきっかけに、結婚15年目の夫婦を演じ始める。
初めは中睦まじい夫婦、しかしだんだんと二人の会話は口げんかのようになっていく。
食事のためにレストランに入るが、二人の仲は修正出来ない。
いったん距離を置き、許し合い修正出来たかと思うと、また一波乱。
女は突然「15年前の結婚式の夜に泊まった」と言い、近くの安ホテルを訪れる。
“15年前に泊まった部屋”に通され、なおも当時のことを懐かしく話し続ける女。
男は告げる。
「言った筈だ、9時までに戻る」

面白かった!
やっぱり、キアロスタミはいいですね。
ジュリエット・ビノシュを我慢してよかった(^_^)
ラヴ・ストーリーという宣伝文句をあちこちで見ますが、それは違うやろ…と。
たった1日で、崩壊していく夫婦の何年にもわたる歴史を見たような。
そして、この映画、後から後から疑問が湧いてくる。

女は、講演会場で関係者席に座る。
これは、ほぼ席が埋まったせいか…とも思えるが、主催の男性も咎めないし、気軽に話す様子は知り合いのようにも思えて、女はこの席に座るべき人間だったように感じられる。
後日、女の店を訪ねてきた作家。
わざわざ訪ねてくるのだから、やっぱり一般客ではないのでは?
そして、ドライブ。
彼の著作や考えについて、はたまた妹の話まで議論する二人。
このシーン、観客は二人を正面から見ているという形が結構な時間続くのだが、フロントガラスに映り込む景色などもあって、飽きさせない。
カフェで夫婦に間違われたことをきっかけに始まったゲーム。
男も戸惑うこともなくさらりと受けてしまう。
どこまでも、ただ演じているのか?
それとも、何%かの真実があるのか?
それとも、ひょっとしたら何もかも真実なのか?
例えば
男が5年前にホテルの窓から見たという母親と息子の話をする。
母親は息子を気にするが歩調を緩めることもなく、息子もまた追いつこうとしない、という話。
この話を聞くと女はふいに涙を浮かべる。
そして、それは自分のことだというのだ。
「知らなかった」と謝る男。
この場面一つにしても選択肢はいっぱいある。
1)本当に男が偶然目撃した親子が女と息子だった
2)男が話した親子は赤の他人だが、女は自分のことだと言った
3)実は、男は話の親子が彼女と息子だと知っていてわざと知らない風に話した
4)そんな親子は存在しない
まだまだ他にも考えられる筈だ。
一事が万事この調子なのだ。
だから、見ている時は例えば1番だろう、と思っていても後から後から、自分の考えが疑わしく思えてくる。
ラストシーン。
ホテルのベッドに横たわる女を置き去りにして、鏡を覗き込む男。
彼が、15年前の思い出の部屋から列車に間に合うように立ち去ったのか、女のもとに戻ったのか、その答えも見る側に委ねられている。
と、思う。

分からないことを楽しめる人には最高の映画。
繰り返し、スルメのように楽しめる。
が、ハッキリしないのは嫌い!という方にはおススメしない。
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