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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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アフリカ、ソマリアの貧しい遊牧民の家庭で生まれ育ったワリス・ディリー。
彼女が13歳の時、父親はお金と引き換えに自分よりも年上の男の元へ嫁がせようとする。
そのことで、家を出る決意をしたワリスは過酷な道のりを旅して、都会の親戚の元にたどり着く。
国を出た方がいいと言われ、イギリスのソマリア大使をしている親戚にメイドとして雇われロンドンに渡った。
しかし、祖国で内戦が起こり、大使館の人間は皆帰国することになるが、ワリスは帰国を拒否しホームレスになってしまう。
そんな生活を続けていたある日、ダンサーを目指すマリリンに出会い、彼女の紹介で仕事を得る。
バーガーショップの掃除婦をしていたワリスは、そこで一流ファッションカメラマンに見出され、モデルの世界に。
やがて名だたるファッション誌の表紙を飾る世界のトップモデルとなったワリスだったが、今も彼女を苦しめ続ける傷を持っていた。

以前にごく短いドキュメタンリーを見たことがあるワリス・ディリーの自伝の映画化。
本人自ら監修を手掛けたそう。
予告の通り、「彼女は今を生きるシンデレラ」なのだが、それだけでは終わらない。
こうして、地位を得た人は(得なくてもだろうけど)やるべきことがあるのだ。
『割礼』というのは今も続いている慣習の一つだよね。
男子の方がよく聞くけど、女子にもある。
場所によってやり方は様々なんだろうけど、ワリスの育った所では、女性器の大部分を切除してしまうらしい。
何かね、不思議なんだけど、生まれて来た時って『基本形』でしょ?
余分な物なんかくっついてないと(まぁたまに、いるみたいですけどね。ちょっと尻尾があるとか…それはそれでいいんじゃない?)思うのですよ。
それなのにそこから何かを取り去るべきだという考え方がどうも解せないんですが……
とにかく、色んな場所に色んな風習があるわけです。
で、このことが彼女の体にいまだに不調を与えているし、部屋に泊めてくれたマリリンから自分達は生まれたままで何もしないと聞かされて、ショックを受ける。
幼い頃の恐怖の体験もみんながそうなんだから、仕方のないことだと、その時までワリスも思っていたのだろう。
でも、そうじゃない人達がたくさんいて、そのことで蔑まれることもなく暮らしていることは驚きであり、ショックだったと思う。
そして、考えた筈。
どうして自分や同じ国に生まれた女性達は、そうされなければならないのか?

何故、こうした慣習が生まれたかについてはよく分からないのだけど、それがとても奥深く根付いていることは映画の中の1シーンでもよく分かる。
具合が悪くなったワリスが病院に行く。
どうやら、彼女が受けた切除とその症状は関係があるよう。
英語が不自由な彼女のために、診察した男性医師が通訳にと看護師を呼ぶ。
やってきたソマリア出身らしい男性看護師は、医師の「手術で痛みをなくすことが出来る」というような言葉を伝えることなく、ワリスを「恥知らず」と罵る。
ロンドンの病院にいて看護師をしているんだから、ヨーロッパでの教育も受けていて医療の知識もある筈なのに。
そんな人でさえ、この慣習を当然のものとみなしているのだから、祖国にいる人達なら尚更だろう。
ワリスの姉妹は、この処置のために幼くして死んでしまったり、出産の時に命を落としたりしている。
そのことが彼女により強く、この無用な慣習の廃絶を願わせたことだろう。
雑誌のインタビューで初めて自分の過去や女性器切除(FGM)のことを明かした後、彼女はアナン国連事務総長より、FGM廃絶のための特別大使に任命された。
彼女の活動により、アフリカの国々で、法律上FGMを廃止するようになったのだそう。
しかし、あくまでも“法律上”であり、本当の廃絶への道のりはまだまだ遠いのだろうけど、まず声を上げることの勇気を教えてくれる映画。

マリリンとの楽しいやり取りはコメディーの要素があるし、ワリスの恋物語も織り込まれていて、ストーリー的にもまずまず楽しめます。
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