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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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かうんたー
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友人が経営する債権回収会社で取立て屋として働くサンフン。
彼は手加減のない仕事ぶりで仲間からさえ恐れられていた。
ある日、サンフンは道ですれ違った女子高生、ヨニの胸元に誤ってつばを吐いてしまう。
サンフンの粗暴な態度にも彼女は一歩も引かない。
そんな2人は何故かひかれ合うようになる。

サンフンは幼い頃、父の暴力が原因で母親と妹を亡くしていた。
愛を知らずに育った彼は、社会の底辺にしか居場所がなかった。
苛立ちをぶつけるかのように暴力的にふるまってしまうのだ。
そんな彼が出会った女子高生、ヨニ。
彼女も、また、暴力によって母親を亡くし、父親や弟に悩まされていた。

最悪な出会いをした2人の奇妙な交流が始まった。

虐待された子供は虐待するって言うよね?
それは多分、他に対処の仕方が分からないからなのかもしれない。
教わったり経験したりしたことがないことは、なかなか出来ないものだ。
サンフンの他人との関わりが、暴力が基本となってしまうのは、悲しいことだが、仕方のないことなのかもしれない。
だが彼には内に秘めた優しさがあった。
甥っ子や異母姉に対するぶっきらぼうな愛情表現がその証拠だ。
では、父親に対してはどうなのか?
父親はひと月前に出所したばかり。
よく、身内を殺された人が犯人を同じ目に遭わせてやりたいというのを聞く。
殺されたのも殺したのも身内なら、どうする?
自分でもよく分からないチリチリとしたものがサンフンを暴力に走らせている気がする。
実はヨニの家庭の方が、現在の事態は深刻だ。
が、二人は互いのことはあまり語らない。
ヨニは母親が死んだことも言わないし、何不自由なく暮らしていると言う。
サンフンも仕事のことは言わないし、もちろん自分の身に何があったかも言わない。
お互いに言わないし、訊かない。
だけど、お互いにいわゆる“同じ匂い”を感じ取っているのじゃないだろうか?
だから、敢えて訊くことを、話すことをしないのじゃないだろうか?

二人はひかれ合っているが、それは恋とかとは違う気がするし、友情ともちょっと違う気がする。
サンフンが甥っ子を連れてヨニと街を歩くシーンがある。
微笑ましくて、何だか理想の家族みたいだ。
二人が求めて得られなかったものが、そこに存在していた。
そんな日々がサンフンに影響を与えたのか、彼は少しずつ変わっていく。
だが、そんな矢先に事件が起きる。
マトモに生き直そうとすると、幸せに一歩踏み出そうとすると、何故か、何かに足元をすくわれてしまうのだ。

足を洗ったサンフンの友人が開店した焼肉屋に笑顔で集う、サンフンの父親、異母姉、甥っ子そしてヨニ。
人はそうやって、何もなかったように生きていかなきゃいけないのだ。
そうでないと、やっていられない。
それでも、それは追いかけてくるのだけど……。

ご注意:『暴力』が存在した家庭の子供だったあなた様へ。
もしかしたら、フラッシュバックを起こすかもしれません。
そこまでいかなくても、押し込めた辛い記憶がスルスルと這い出してくる可能性は非常に高いです。
全く読めないハングルのエンドロールを眺めながら、私は私の記憶に泣いていました。
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