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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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え~と、観たのは木曜日(11/6)の夜だったのですが、何だか当てられたようになってしまって……
どう書いていいものか……と思ったのですが、文庫本を買ってもう一度あの言葉を体感したいと思うくらいなのだから、やはり書いておこうかな……と。

本作は三島由紀夫の戯曲で、澁澤龍彦のサドの生涯についての著作を読んで構想を得たものであるらしいです。
文庫本のあとがきというのか、に書かれている三島の言葉。
今回のアトリエ・ダンカンのHP及びパンフレットに記載されている演出の鈴木勝秀氏のコメントじゃないな、何ていうんだ?
ま、書いたものの中にも引用されている「舞台の末梢的技巧は一切これを排し、セリフだけが舞台を支配し、イデエの衝突だけが劇を形づくり、情念はあくまで理性の着物を着て歩き廻らねばならぬ」という三島の言葉どおり、ただただ言葉が溢れている舞台でした。
今回はすべて女性である登場人物を男性のみ、つまり女形の形での上演。
三島自身も、老婦人の役を出して、女形でやらせるという案を持っていたらしい。(女性ばかりでは声が均一化することを危ぶんで)
なので、ある意味、三島の構想した形での上演であるといえるだろう。
個人的には、何といっても篠井さんと加納様(と普段私は呼んでいるので、そのままで、特段差別しているわけでもない、何となく語呂が合うのだろう。)の18年ぶりの共演が嬉しい。
大好きな『花組芝居』であるが、私が観に行くようになった頃は、篠井さんは既に退団しておられて、残念ながらお二人が同じ舞台に立つのをナマで観る機会はなかった。
そして、これもよく観に行かせていただくStudio Lifeの山本芳樹さん。
あとは、サラーっとチラシを見ただけなので、すっかり忘れていたのだが、天宮良、石井正則、小林高鹿。
え、天宮良って……天宮良!?(そりゃ、そうだ;;)

舞台はフランス革命直前のパリ。
スキャンダラスな事件を引き起こしたために、追われる身となったサド侯爵。
その夫を守ろうとするサド侯爵夫人・ルネ。
家名と娘の名誉を守るために画策を巡らせる母・モントルイユ夫人。
この二人を中心に彼女らを取り巻く個性的な登場人物たち。
彼女らはそれぞれ違う立場からこの歴史的事件に焦点をあててゆく。
ルネの妹、天真爛漫なアンヌ。
良心と悪徳の象徴であるシミアーヌ男爵夫人とサン・フォン伯爵夫人。
そして、民衆の代表・家政婦のシャルロット。

サド侯爵の引き起こした事件の根底、そして彼女達の真実はどこにあるのか?

サド侯爵は、あのサド。
サディズムの語源といわれるあの人、ですね。
話がずれるけど、以前にパゾリーニの『ソドムの市』(だったと思うんだけど、『ソドムの百二十日』が原作)の上映があって、1度くらい観た方がいいんじゃないかと思って行ったんですけどね。
も~~~、一回でいいわ!!!っていう。
二回は見られへんわ、私は(-_-;)
とにかく、そんなスッッッゴイ物を書いちゃったサド侯爵の夫人とそれを取り巻く人たちの物語。
先に書いたように、舞台は本当に言葉の洪水のようで、それぞれの時代を象徴するスタイルのドレス姿も大層美しいのですが、堪能している暇もないくらいに言葉に飲み込まれる感じ。
サド侯爵自身は、常に話題の中心にありながら、登場することはありません。
それでいてありありとその姿が思い浮かぶような作り。
何か、凄かったです。
三島って嫌いじゃないと思うんだけど、小説とか途中でしんどくなってきちゃうんですね。
文体とか好きだと思うんですよ。それなのに、挫折してしまうことが多い作家です。
でも、それが台詞になると全然違う感じなの。
難しい言葉なのに、素直に耳に入るというか……
何か、読むよりいいですね、私には。

そして、キャスト。
篠井英介と加納幸和という、現代女形の頂点に君臨するといえる二人は、もちろんいうことナシ。
で、今回意外にもハマりだと思ったのは、天宮良。
いや、劇場について、パンフ買って、キャスト見直して、「大丈夫なのかなぁ」と失礼なことを思っていましたが……
めっちゃ、大丈夫やん!!
彼は悪徳の象徴であるサン・フォン伯爵夫人役なのですが、これがもう……こんなにハマるとはなぁ……。
後は噛まなきゃ最高ですわ。(難しいからね、台詞;;)
石井さんも違和感なくて○
山本さんは、思えば女性役を拝見する機会はとてもとても少ないのですが、濃い~面々に囲まれて、大変そうなのですが、最後の最後に美味しいところを掻っ攫っていきます。
実は、一番上位にいたのはこの家政婦なのかもね。と思わせる。

普段、周りが全部立ち上がっても、スタンディング・オベーションをしなかったりする私ですが、これは周囲を取り残して立ち上がりましたよ。
はい、めっちやBRAVO!!でした。
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