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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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ある冬の日、映画監督のアリは、旧友に呼び出され、彼が毎夜見る夢の話しを聞かされる。
不思議なその夢を、彼はレバノン侵攻に関係があるに違いないと言う。
「君は夢を見ないのか?」と訊かれ、アリは自分は何も覚えていないと言う。
「ザブラ・シャティーラの現場にいただろう?」
そう訊かれても、何も思い出せなかった。
彼と別れてから、アリは初めてフラッシュバックを体験する。
抜け落ちてしまった過去。
なぜ何も覚えていないのか?
失った過去を取り戻すため、アリは当時を知る戦友たちを訪ねることにした。

どちらも観てなかったんだけど、オスカーはこちらが獲ると思っていました。
『おくりびと』が獲ったことで、アカデミーが逃げたというか、そんな気がしましたね。

冒頭、野犬の群れが迫ってくる。
歯をむき出し、目をギラギラさせて。
私はビクリとして息を詰めた。

アリの戦友がもう二年以上に渡って毎夜見るという夢の映像から映画は始まる。
私達は彼の夢を追体験する。
アニメーションでドキュメンタリーとはどういうことなのか?と思っていたけど、夢や幻を的確に表現するのにこの手法が一番向いていたのだろうと思う。
アリは、自分と同じ戦場にいた筈の戦友達を訪ねて回り、抜け落ちた記憶を埋めていくと同時に彼らもまた記憶の一部を失っていることを知る。
忘却は人間の最大の才能だと昔聞いたことがある。
生きていくために、忘れるべきものを忘れるのだ。
それを掘り起こす作業は危険なことだ。
しかし、それもまた、人間だけに可能な技だといえるだろう。

原題はVALS IM BASHIR/WALTZ WITH BASHIR。
BASHIRとは、バシール・ジェマイエルのこと。
レバノンのキリスト教マロン派“ファランヘ党(ファランジスト)”の若手指導者だった。
サブラ・シャティーラの虐殺は彼の暗殺に対する報復である。
この現場に、アリはいた筈だったが、その時のことをまるで覚えていなかった。
アリが訪ねた戦友の一人が言う。
「彼らにとってのバシールはオレにとってのデビッド・ボウイのようなもの。」
憧れであり、恋人のような存在を失ったことにより、ファランヘ党の怒りが爆発したのだと。

彼が訪ねた精神科医だったか、PTSDの専門家がある兵士の話をする。
「カメラを持っていれば、観光客気分だ」と彼は言っていたと。
映画さながらに間近で銃撃戦を見物しているつもりで、やり過ごしていたのだ。
しかし、あるきっかけで彼は『カメラ』を失ってしまう。

この映画の最後のシーンを観て、この作品がアニメーションで作られた意味をもう一つ見つけたような気がする。
監督は、私達に『カメラ』を持たせてくれていたのだ、と。
そして、残酷にもそれを取り上げたのだ……

何年か経って、アカデミー審査員は、後悔するかもしれない。
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