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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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ナチス占領下のパリ。
ユダヤ人は胸に黄色い星をつけることが義務付けられた。
11歳のジョーは、星をつけてること、公園や映画館、遊園地への立ち入りが禁じられたことに腹を立てていた。
何かが変わろうとしていた。
しかし、ジョーと家族は、ささやかな幸せが続くと信じていた。
ある朝、荒々しいノックの音が彼らをたたき起す。
フランス警察だ。
1942年7月16日、夜明け前のパリで始まったユダヤ人の一斉検挙。
子供や女性、赤ん坊さえ冬季競輪場に押し込められ、5日間、水、食料もなく放置された。
医師はたった一人。
自分も検挙されたシェインバウム、それと数人の看護士が人々の治療を引き受けていた。
そこに赤十字から派遣された看護師のアネットが加わるが、とても追いつかない。
だが、それは信じ難い出来事の、ほんの始まりに過ぎなかった--。

50年もの間、公式に認められなかったフランス政府によって行われた、史上最大のユダヤ人一斉検挙。
「ヴェル・ディヴ事件」(冬季競輪場の名前に由来している)。
95年にシラク元大統領がフランス政府の責任を認めるまで、事件はナチスドイツによる迫害のひとつだと捉えられていたそう。
いったいフランスは、何をしたのか?

ユダヤ人達が黄色い星を付け、表立って彼らを嫌う人々もいる一方、今まで通り変わらぬ付き合いをしてくれる近所の人達もいる。
昨日まで仲良くしていたのに、人に言われたから、急に嫌うというのも変な話だものね。
それに、起こした事件も酷いが、他人に罪をなすりつけようといういうあたり、『カティンの森』を思い出す。
あのナチス・ドイツ怪物のしたことに比べれば、大したことがない(なんて、スターリンが思ってたらちょっと……)。
自分達は勝ったんだし、負けたやつのせいにしてしまえばいい。
というのは、あまりといえばあんまりな話。

さて、ユダヤ人の一斉検挙の噂が流れ、いつも見回りをしている巡査や、軍で働く女性から気をつけるようにと知らされますが、誰もが兵器工場に男手が必要なためだと思っていました。
しかし、ナチス・ドイツに言われたノルマを達成するため、また、面倒を見切れないとの理由で、ナチス・ドイツからは排除するように言われた子供達まで検挙のリストに載せられます。
ジョーの家でも、検挙の噂に長女は、どこかに逃げようと言いますが、父親はその費用も行く当てもない、第一逃げた知り合いは今は収容所じゃないかとなだめます。
気をつけるに越したことはないと、父親が家族と離れて地下室で眠った翌朝、フランス警察がやって来たのでした。
名簿に載っている筈の父親がいないと言う警察に、とっさの機転でつい先日亡くなったと言う母親でしたが、荷物を持って家を出るよう言われたため、ジョーは思わず「お父さんに言わないと」と、言ってしまいます。
彼には、母親が父親をかばって吐いた嘘が分からなかったのでした。
自分のせいで父親も捕まってしまったことに、どんなに傷ついたかと思うと胸が痛みます。
たとえ、父親が「家族一緒に居られた方がいい」と言ってくれても。
冬季競輪場は、満員御礼以上に人であふれ返っています。
2日分の食料を持ちだすように言われたものの、既にその2日は過ぎてしまい、水すらありません。
そこへ、ホースの点検に消防隊がやって来ます。
人々は水を出してくれると思い、大騒ぎ。
そして、隊長は警察に逆らって人々に水を配ります。
水を配る消防隊員は人々からたくさんの手紙を預り、投函することを約束します。
こんな風に、人には正しいことを選択できる余地があるのです。
でも、この時彼らを止めようとした警察官達のように、大きな力に逆らえず、流されてしまいがちです。
自分には子供がいるからという警備の警官に、看護士のアネットがここの子供たちのことはいいのかと詰め寄ります。
どちらも、同じ子供なんですけど、他の子供を犠牲にしても我が子を守りたいというのは生き物の本能なのでしょうか?
どちらも犠牲にしない方法を考え出すべきなのだと思うのですけどね、人間は。
結局彼らは、収容所に送られ、劣悪な環境で過ごした後、処理施設に送られます。
しかも、親と子供は引き離されてしまうのです。
最期の時すらも、親と離れ、心細く過ごさなければならないというのは、あまりにも不憫です。

終戦後、移送前に収容所を脱走したジョーがアネットと再会します。
彼女に「優しい人が養子にしてくれた」と笑顔を見せるジョーですが、養父母とかつては入ることを禁じられた遊園地にいるジョーの顔には何の表情もなかったように思えました。
「列車に乗った子は誰も帰って来なかった」
そう、アネットに聞いたジョーの心に去来したものは何だったのでしょう?

検挙されたユダヤ人は1万3千人。
名簿では府2万4千人の予定でしたから、1万人以上が匿ってもらったり、逃がしてもらったりしたようで、フランス人の心意気を感じるのですが、それと裏返しなのか、終戦後ナチスの兵士と付き合ってた女の人達に酷いことをしましたよね?
自分や家族を守るために仕方なくそうした人もいるだろうと、思うのですが、そういうところは思いやってくれないのね……。
と、思うと、何だか……(-_-;)
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