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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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白血病で長い入院生活を送っている10歳の少年オスカー。
彼は病院で偶然出会った口の悪い宅配ピザ屋の女主人ローズを一目で気に入る。
ある日、医師が両親に彼の余命が残り少ないことを告げる場に偶然居合わせてしまったオスカー。
ただ泣き崩れ、彼に会うことも出来ない両親に失望し、大人達と口を利かなくなる。
これでは病状も分からないと、困り果てた医師が誰となら口を利いてくれるのかと尋ねるとオスカーの答えは“ピンクの女の人”。
それは、ピンクのスーツに身を包んでいたローズのことだった。
ピザの宅配を条件にローズは12日間、毎日彼の元を訪れる約束をする。
腫れものに触るような周囲の大人達とは対照的に、ごく普通にオスカーに接するローズ。
そして彼女は、残された時間の少ないオスカーに、1日を10年間と考え日々を過ごすこと、また毎日神様に充てて手紙を書くことを提案する。
その日からオスカーの新たな人生が始まった。

想像していたのと、かなり違っていました。
監督は、『地上5センチの恋心』の人だったんですね。
原作も彼自身のベストセラー小説だそう。
何しろ、病気で余命わずかな男の子の物語ですから、もっとお涙ちょうだいっぽいかと思ったら……

ピザ屋の女主人ローズは、とにかく口が悪い。
そして、病院嫌いで、病気が怖くて仕方がない。
そのうえ、ボランティアなんてする人間の気が知れない!
という人。
でも、こういうのってすべて裏返しなんですよね。
さて、ピザを買ってもらうため、大嫌いな病院に毎日出向き、これまた苦手な病気の少年と話をすることを引き受けてしまったローズ。
嫌々だが、オスカーと話を始め、「何日来てくれるの?」との問いに、あっけらかんと「12日」と答える。
その答えに自分の命はそれくらいしか持たないのか…と思うオスカー。
さすがにしまったと思ったのか、ローズは突然、日付の話を始める。
「あら、今日は12月20日ね」
それがどうしたのかと問うオスカーに、嘘か本当か、彼女の田舎の習慣を話して聞かせる。
それは、1年の最後の12日間で、来年の1年の天気を占うというもの。
今日は1月にあたるから、晴れて穏やかな1月になる、という具合。
そして、オスカーにこれからの12日間、1日を10年だと思って過ごすこと、と神様に手紙を書くことを提案したのだ。
最初の日は子供時代、次の日は思春期とオスカーは成長を体験していく。
恋をして、結婚、浮気がバレてケンカになったり、仲直りしたり、ローズを養子にしたり……
あくまでも、ごっこというか、『ふり』なんだけど、でも人の一生も時間がかかっているだけで、ひと月や一週間で体験することはその縮小版なのかもしれない。
こうして書いていると、やっぱり死んでいく男の子の可愛そうな話、みたいなんだけど、ちょっと違う。
これもまた嘘か本当かは分からないけど(それは別にどうでもいいこと)、ローズは元女子プロレスのチャンピオンだったというのだ。
その名も“ラング・ドックの絞殺魔”!!
そして、彼女はオスカーが壁にぶつかった時、昔自分が体験した試合のことを話すのだ。
その場面は、オスカーの想像の産物なのだろう。
彼女があげたスノードームのリングの中、ピンクのコスチュームに身を包んだローズが颯爽とリングに登場し、強敵を倒していくのだ。
そして、オスカーは解決法のヒントを得ていく。
ローズにもだんだんと変化が起こる。
オスカーを訪ねるのにピザが焼き上がるのも待ちきれないほどになるのだ。
ある時、神様に会わせてあげると、オスカーをこっそり連れだし教会に出かけた場面がとてもいい。
十字架にかかるキリスト像を見て、オスカーはローズがこんな人を信じるなんて…と、非難する。
彼は痛みに苦しんではいるけれど死を恐れている訳ではないと言われ、キリストの表情からそれを見て取ったオスカーの心も変化していく。
死は未知のもの、だから誰だって怖い。
でも、誰も死からは逃れられない。
ならば、未知を楽しむ手もある。
両親だって死ぬ。
そして、ローズも。
でも、自分の方が早く死ぬというオスカーに、ローズはためらうことなくそうだと答える。
そして、だからって、何をしてもいいなんてことにはならないと彼を叱るのだ。
ずっと、彼を叱ってくれる人はいなかった。
みんな、彼が“可哀想だから”遠慮していたのだ。
そんな特別扱いをされないこと、それが図らずも“特別”になってしまった人間には何よりなのかも。
オスカーはやっぱり、旅立ってしまうのだが、彼の残したものは人々の中にずっと残るだろう。
救うつもりが、実は救われていたというのは、よく聞く話。
なんだけどね。
情けは人のためならず。
情けをかけるのは、その人のためによくない。
ってことじゃないのだよ。(子供の頃はそうかと思ってたね)
情けをかけるというのはその人だけに“いい”のではない、自分にも得るものがあるってことなんだな…と再認識するお話。
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