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私が観たり、聴いたりしたものの感想と日常のしょうもないことをウダウダと…
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プロフィール
HN:
赤姫
性別:
女性
趣味:
映画・演劇・音楽鑑賞
自己紹介:
関西在住。生まれ育ちも関西のコテコテ(?)関西人。
洋画・洋楽・歌舞伎で育ったため(?)、ちょっと感覚がヘンかも……
野球好き。ご贔屓はロッテとやっぱり阪神。
別名(まーちゃん)で時々よそ様に出没。

赤姫とは…歌舞伎に出て来る典型的なお姫様。たいてい真っ赤な着物を着ていて、キラキラとした大きな銀の花櫛を鬘につけ、振る舞いもとても可愛いらしい。
子ども時代の私の憧れでありました。
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かうんたー
数え始め 2006/11/14
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シングルマザーでコミュニティラジオのパーソナリティをしているダリア。
息子(コスモ)の養育費は、母には内緒で、すでに母と離婚している父から援助してもらっていた。

一方、母のララはメキシコでも有数の伝統的なハーブの研究者。
独立心が旺盛で、別れた夫とも娘とも、適度な距離を保ち、研究を続けていた。

ある日、ダリアが訪ねると、ララは自宅の鍵が見つからない、と言う。
「きっと、夜にやって来た男が盗ったのよ。」と言いだすが、ダリアはそのカギをクッキー入れの中から見つけ出す。

不安に思ったのか、ララは薬草研究の整理をダリアに託し、専門医の検査を受ける。
診断は、アルツハイマー。

次第に壊れていくララ。
そんな恐怖に打ち勝とうと、自分が研究したハーブを試す。
娘、ダリアは初めて母との人生を振り返る。

だが、2人にはもうわずかな時間しか残されていなかった……。

メキシコ映画です。
でも、いつものメキシコ映画とは趣が違います。
この映画の監督さんは女性で、いつも女性が主人公だそうなのですが、日本ではこの「グッド・ハーブ」が初公開。

娘のダリアは一応仕事はしているものの、暮らしていけるだけの収入を得られるようなものではないし、どちらかというと普通は趣味の副業的な感じの職種と給料。
小さい子どもがいれば、フルタイムで働くのは当然難しいのですが……。
息子の父親は時々息子を預ってくれるよう。
その間に若い男の子を誘ったりしている。

聡明で独立心の強い母親ララは、ダリアの目にはどう映っていたのだろう?
憧れていたのだろうか?
それとも、違う世界の人だったのだろうか?
そんな母親に突然降りかかった病、しかも、それは聡明だった母の面影をドンドン奪っていく。
これは、堪えるだろうな~
賢くて、美しくて、頼れる存在だった人が、だんだん自分のことも出来なくなっていくのだ。
病院に行く日、ララは着替えを出すのだが、ダリアが「スカートをはいて」と言っても、取り出すのはブラウスやセーターばかり。
もう、何をどう着たらいいかも分からなくなってしまっているのだ。
そんな母の姿に思わず涙するダリア。
ララは涙の原因が分からず、ただ泣かないで、と言う。
思えば今まで母のことを何も知ろうとしなかったと思うダリア。
だんだんと娘に、子供に戻っていく母ララ。
ある時、ララが「お前の本当のお父さん」のことをダリアに話し出す。
今まで一度も聞いたことのない話に動揺するダリア。
しかも、それが病気の言わせるたわ言なのか、真実なのかも分からない。
ララはついにベッドから起き上がれないほどになる。
そして、ダリアはある決断を下す。

最初の場面でダリアが公衆電話をかけています。
「息子の熱が下がらないの」
誰かに相談しています。
「まさか、声が聞けるなんて……だって、もうこの世にはいないもの」
そう、ダリアは既に亡くなった母と話していたのです、電話で。
どうしようもなくなってダイヤルした番号に母は堪えてくれたのでしょうか?

この映画でもう一人気になる人?がいます。
ピンクのドレス姿で現れる娘。
青年はぶつかってもまるで気にしない様子。
ダリアのアパートの住人でブランキータというおばちゃんがいます。
3度結婚したけど、娘が1人だけ、そして、その娘が孫娘を産んだそう。
幸せに暮らしているのかと思っていると、実はその孫娘は誰かに殺されたことが分かります。
それも15歳を祝うパーティーの日に。
紫の花を満開に咲かせる木の枝に座るピンクのドレスの娘、それはブランキータのすでにこの世にはいない孫娘だったのでした。
電車の中で、彼女がブランキータの髪をそっと撫で、その手にブランキータがそっと触れるシーンがあります。
とても優しいシーンです。
ブランキータが孫娘の存在に気付いたのかどうかは分かりませんが、きっと何かを感じたことでしょう。

いつもはすっかり忘れたように暮らしているけど、実は“死”はとても身近にあって、死者も、もしかしたら電話で話せるような、そんな近い存在なのかもしれないと思わせる映画。
実際の話、明日生きている保証もないですし。

ダリアの決断が正しいか正しくないかは分からない。
けど、そうしなくてはいけないと思った気もちは何となく分かる。

あなたが“娘”なら、色々考えさせられる映画だと思う。
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さえない中年男フランク。
彼には不似合いな美人妻は、ある日ドラッグディーラーの元へと家出をしてしまう。
どうすればいいのかと思い悩むフランクに神の啓示が!
愛する妻を取り戻すため、お手製のコスチュームに身を包みスーパーヒーロー“クリムゾンボルト(赤い稲妻)”に変身する。
ドラッグの売人やひったくりを退治する日々。
しかし、彼の正体に気づいたオタクでイカれた女の子が押しかけ相棒に!
その女の子ボルティーとともに、妻を取り戻しに向かうフランクだったが……。

宇宙人とか、改造されたとか、蜘蛛に噛まれたとか、実験に失敗したとかいう以外のヒーローはお金持ちなんだよね。
アイアンマンもバットマンも。
だから、資金力で持って特殊能力の無さが補える。
だけど、しがないコックがヒーローになるというと大変だ。
コスチュームを自作する姿はキャットウーマンだね。
キャットウーマンくらい世の中に恨みつらみがあったかどうかは分からないけど、妻が家出したことをきっかけに、今まで目をつぶって来た“悪”を許してはいけないと思う。
最初は素手で立ち向かって、ボコボコにされていたが、必殺の武器“レンチ”を手にしてからは大活躍。
……か、どうかは微妙。
悪のレベルに合わせた手加減はナシ。
列に割り込んだカップルも、ドラッグの売人もひったくりも、レンチでボコボコにしてしまう。
いきなり殴りかかる姿はヒーローというよりほぼ通り魔。
彼の方が犯罪者扱いされても仕方がない。
実は、被害者は悪人だったと分かって人気は急上昇するんだけど……
何だかイタイ。
これはあまりにも現実的な主人公だからだ。
バットマンもアイアンマンも普通の人間だけど、やっぱり普通じゃない。
でも、クリムゾンボルトことフランクは本当に普通のオッサンで、普通の人間がヒーローになるべく立ちあがったら、悪人と同じくらい悪人になっちゃうかもしれないな~
ということが分かる。
被害者本人が仕返しするならともかく、まったく無関係のおっさんが悪い奴だといってレンチで殴りかかるのはやっぱりどうかしていると思うのだ。
そして、ヒーローものではあんまり映らないやられた悪者も映る。
血を流してウンウン苦しんでいたりする。
これもまた、現実的過ぎて見ている方には堪える(-_-;)

素人がヒーローにっていうと『キック・アス』が引き合いに出されると思うけど、あれは途中からプロというかセミプロが一緒に戦ってくれる。
だけど、こっちは相棒も素人。
しかも、かなりオカシイ。
ハッキリ言って危険人物。

そんな2人がドラッグディーラーの元に乗り込む。
もちろん銃をセールで手に入れ、射撃の訓練もし、素人なりに調べて爆弾を作り……
いざ乗り込む!
そこで起きたいきなりの悲劇に、キレてたところにさらにキレてしまうクリムゾンボルト。
ただ、悪人を退治するだけじゃない。
自分の妻が捕まっているとなれば、冷静でなくて当然なところに、さらに悲し過ぎる出来事が起こるのだ。
ここからが本当にもう無茶苦茶。
ハッキリ言ってやり過ぎ。
なんだけど……
ヒーローの戦闘シーンて、これくらいドンパチしてるよね。
ということは、映らないけど本当はこういう惨状になっている訳で……
そう考えるとヒーローの活躍っていうのは、何か……いいのかなぁ?となる訳です。
ゴッサムシティーとかじゃなくて、普通の街だとね。

最後は束の間の幸せとその終わりと、新しい生き方の始まりにホロリとさせられる。

『キック・アス』より実は優れものなんじゃないかと思うんだね。
後で自分の中に残るものを思うと。

妻役のリブ・タイラーなど豪華なキャストも話題ですが、フランクが憧れる(?)ホーリー・アベンジャーはキャッスルだったんだね~
この目はどこかで見たことあると思ってたんだけど……
ずっとマスクしたまま。
そして、タイツ姿だと何だかモッチャリして見えてしまう;;
まぁ、かっこよく見え過ぎないことがホーリー・アベンジャーには大切な気はするけど。
成功した(らしい。いい家に住んでるし、会社でもいいお部屋にいる)ジャック。
壮年を迎えた彼は、今、自らの少年時代に思いをはせる――。
1950年代半ばのテキサスの小さな町に暮らすオブライエン一家。
成功のためには力が必要だと教える厳格な父は、長男のジャックをはじめ3人の子どもたちに厳しく接する。
一方、自然を愛で、慈愛に満ちた心で子供たちを包み込む優しい母。
そんな両親の狭間で葛藤を抱えながらも、2人の弟との楽しい時を過ごすジャックだったが…。

うぅ~ん、何て書いたものかなぁ……と。
しばらく考えてみたのですが、きっと考えてもいい考えは出てこない。
50回くらい見たら分かるかも知んない、と思う一方で、何も分からないままかもしれないと思う。

宇宙の誕生から、テキサスに暮らす一つの家族まで、時間も、場所も、ズームアウトもズームアップも自由自在。
一つ一つのシーンがことごとく美しい、ので、単調な気さえしてしまう。
息を抜くところが少ないから、疲れるかもしれない。
この人は、良くも悪くも映像作家なんだな~と思いました。
小説家ではなくて、画家。
どちらも作品はそれを受け取る人次第だけど、小説家の方が自分の思う方にリード出来る可能性が高いけど、画家は本当にお任せだと思うんだね。

だから、見た人がどう受け取るか
頭ではなくて、多分、心で……

人はどこから来て、どこへ行くのか?
神の存在は?
という人類の最大の問題を描いているのと同時に、一人の男が過去の自分と対峙する物語でもある。

見ている最中
「ずっと、こんなんなん?」というオバハンの声が聞こえた。
連れてこられたものの、予想外の映画だったに違いない。
入場口で、どでかいポップコーンを持ってるカップルもいた。
「食べる気なん?この映画で?」
思わず訊きそうだった。
帰り際、偶然そのカップルをもう一度見たが、やっぱりポップコーンはあまり減っていなかった。
その後見た中年の夫婦だかカップルだかは完食に近い感じだったので、年を経た人間の凄さを感じたのだった。
でもまぁ
普通の人間の感覚では、この映画を見ながら食べ物をパクつくというのは、難しいと思うので、お食事は先にお済ませください。
自動車事故で母を失い、心に深い傷を負った少年TJと、妻の死から立ち直れないその父親ポール。
そして、スーパーのレジ係として働く女性ニコールはツキに見放された人生にウンザリしていた。
そんな彼らの前に突然、長髪で半裸の謎の男ヘッシャーが現れる。
TJの祖母の家に勝手に住みつき、大音響でヘヴィメタルを流し、下品で乱暴な言動で様々なトラブルを起こす。
彼のバイタリティが、暗く沈んでいた彼らを勇気づける。
そして、もう一度前を向き、新たな人生を歩み始める……。

TJは母親を亡くしたことで、世の中の何もかもが気に入らなくなっているような……
自分だけが世界中の辛い思いを背負い込んだような気分になっている。
まぁ、仕方ない。
事故の様子は終盤にやっと出てくるが、まさに幸せから不幸のどん底にまっしぐらな気分なんだろう。
父親も、同じで、精神安定剤か何かに頼りっぱなしなのか、一日中ソファーで眠ってばかりいる。
ある日、自転車をぶっ飛ばして工事中の住宅地を通り抜けようとしたTJ。
何かにひっかかってすってんころりの見事な一回転。
腹立ち紛れに石(だっけ?)を投げつけ建てかけの家の窓ガラスを割ってしまう。
と、そこから長髪のキッタナイ男が!!
どうやら彼はそこに住みついてたらしいんだけど、窓が割れたことで警備会社が来ちゃったんだな。
で、いきなりダイナマイトか何かを投げつけて逃げ去る!
TJが必死に家までたどり着くと、その男がやって来た!!
いきなり洗濯機を勝手に使い始める。
突然の「スカルファックは?」という質問も、胸のとこにある“そんなもん彫ってどうすんだ!?”的な下手くそな図柄のタトゥーも危険人物の香りをプンプンさせてます。
脅されて友達と紹介することになったTJも、父親ももちろん歓迎ムードではありませんが、おばあちゃんは久しぶりの来客なのか楽しそう。
そして、言い方や喩え話はぶっ飛んでいるのですが、ヘッシャーさんはおばあちゃんには優しい。
TJを散歩に誘うも断られたのを見ると、「1時間早く起きて、ばあ様に付き合え!」と、至極まともなことを言うのです。
そうして、だんだん家族の一員と化していってしまう。
過激ながらも賑やかな日々に、再びの悲しい別れがやって来ます。
おばあちゃんの葬式でのヘッシャーさんの言葉も、TJや父親の行動にも、確かに遅過ぎたけど何とか約束を果たそうとするその姿と、そんでいいじゃないかという感じのヘッシャーさんにちょっとホロリ。
そして、来た時と同じように唐突にヘッシャーさんは消えてしまいます。
おみやげと自分の証しを残して。

あ、ナタポは……個人的にはこういう感じの方がいいですね~
何でもきちんとこなす優等生らしく、地味なレジ係もバッチリです。
脇をこなせる人って技術がいると思うのですよ。
悪目立ちし過ぎず、確かに存在していないとダメだし。
今までで一番いいナタポかも。

何だかワケ分からん記事になってしまいましたが、意外と拾いものと思える映画。
見た後、ほんわりと胸の辺りがあったかい。
思いもかけないお話でした。

余談ですが、突然の訪問者がその家に居座って家族を変えてしまう……
というと、『テオレマ』を思い出します。
まぁ、家族に起こる変化はまるで違いますけど……
でも、出来れば訪問者は美しい方がいいなぁ……
後が大変そうだけど(^_^;)
この時のテレンス・スタンプは本当に美しかった。
パリの病院に勤務する看護助手のサミュエル。
妻のナディアは出産を間近に控えており、2人は慎ましいながらも愛情にあふれた毎日を過ごしていた。
ところがある朝、サミュエルが目を覚ましキッチンに向かうと、突然殴られて気を失ってしまう。
携帯電話の音で目覚めると、電話の向こうから妻の泣き声が聞こえ、「3時間以内に病院から昨日事故に遭った男を連れ出せ。さもなければ妻を殺す」と脅迫される。
連れ出すよう言われた、昨夜交通事故に遭い意識不明の重体で病院に運ばれた男は、指名手配中の強盗殺人犯サルテだったのだ。
訳も分からないまま、誘拐された妻を助けるため、必死の覚悟で犯人の要求に従うサミュエル。
しかし、そのせいで彼もまた、警察からも追われる羽目になる。
誰も味方のいない絶望的な状況。
それでも、妻を救うためにサミュエルは全てを懸けて走り続ける……。

前作『すべて彼女のために』が、とっても良かったフランスの俊英、フレッド・カヴァイエ監督の新作。
前作では、無実の罪で捕らえられ、証人不在のため有罪になろうとする妻のために、限られたながらもそれなりの時間をかけて、素人の男が裏社会のことを学び、自らの手で脱獄計画を練ります。
しかし、今回は何てったって3時間。
でも、いわばプロとの逃避行。
短い時間の間に、サミュエルはそれなりに経験を積んでいきます。
ただ、プロの方は足手まといな彼と離れたがっているというところも、ミソ。
妻は無事に帰すと言われても、「あ、そうですか。じゃ、よろしく。」という訳にはいきません。
不本意ではあるけれども、警察に追われる男と行動をともにせざるを得ないのです。
初めは、サミュエルを鬱陶しいと思っていたサルテも、サミュエルの懸命さのためか、共犯として警察に追われる身になったためか、彼を信用するようになっていきます。
という訳で、何だかバディ・ムービーな様相も呈してきます。
『すべて~』では、「最後の30分でようやくアクションを起こすシーンを、今度は全部を使って撮ってみたいと思った」という監督。
今回は本当に冒頭からスピード感あふれる演出です。
中でも、地下鉄の構内を使ったシーンはスゴイです。
地下鉄が閉まる深夜1時から5時まで、5日間で撮りきったそうです。
サブ・ストーリーも盛り沢山。
警察内部の派閥争い。
組織との癒着。
裏切り。
家族の絆。
などなど。
とにかく、冴えない中年男が妻を助けるためにパリの街を必死のパッチで駆け回る姿は、まさに愛情のなせる技、なのでしょう。
こんなに盛りだくさんな中身なのに、観終わって電車に乗ったら、思っていたよりもずい分早い時間でした。
何と、全編で85分。
もう、本当にジェットコースター・ムービー!
そして、ラストシーンの演出も心憎い。

前作に続いて、ハリウッドに目をつけられそうな本作。
もうね。
リメイクなんかいいから。
吹替えでもいいから、このまま見てくれ、アメリカ人!
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